業務日誌

東京農業大学(元三重大学)教員による業務日誌です。農業経営学の見地から,食料・農業・農村・環境の問題を考えています。

8月24日(水):残り1週間(送別会)

ヘルシンキ滞在も残り1週間。

  • ヘルシンキ大学に最後の出勤。学科教員有志の皆さんに送別会ランチを開いていただく。
    • キャンパスから少し離れた(車で25分ほど)ところにあるランドマーク的な特徴があるレストランに連れて行ってもらったのだが、会食が終わり、車でキャンパスに戻っている最中に、「おそらく気づいていないのは一人だけ(つまり自分)だけだと思うが」と前置きされた上で、実は後の席に座っていたのはフィンランドでも著名な政治家(議員は引退)だと教えてもらう。レストランにいた人は、(一人を除き:笑)全員気づいていたが、誰一人として特別扱いをしない。これがフィンランド人の文化なのだと改めて教えていただく。日本で同じ場面なら、全く違う雰囲気になっただろう。最後に象徴的な場面に出くわした(正確には、出くわしていたことを事後的に知った)。
    • ちなみに天気は雨。やっぱりなあ、という(苦笑)。
  • 派遣元大学とのやりとり。1)学生の農家実習関係、2)来年度の時間割関係、3)来学期の授業担当関係。いずれもイレギュラー対応。
  • 研究室関係。1)研究室動画関連。現在編集中の動画に関するやりとりと、次に編集予定の動画に使用する画像のやりとり。2)10月に予定されている研究室紹介について、資料を手直しした上で関係の先生方に打診。
  • 非公表業務。本日完成には至らなかったが、進捗度80%超えまで前進。明日には仕上がる目処が立ったか。

本日のヘルシンキ

  • デジタル排除の問題。フィンランドではオンラインで行えることが多いが、その際に必要なのが銀行口座に紐づいた個人認証。報道は、事情により銀行口座を持てない人などは、これらのサービスから排除されているという内容。同様の状況に置かれている人が国内に45万人いるとも推計(フィンランドの人口は約550万人)。というより、自分もこの45万人に含まれる(笑)。自分の場合、銀行口座は開設できたものの、認証システムは使えない。報道ではこれを「二級市民」と表現。なるほど、気持ちはよくわかる。
  • ヘルシンキの住宅価格事情。ヘルシンキの住宅価格は上昇を続けていたが、昨年少し下がった、という状況。地区で「最も安い」マンション(アパートとあるが、日本的にはマンション)と「手頃な」マンションがマッピングされているのだが、たまたま自分が居住している地区が取り上げられている(車があれば便利だが、鉄道駅からはやや遠く、バスだとヘルシンキ市街まで30分、という立地)ので見ると、「最も安い」のは、30平米で109,000ユーロ(1,500万円)、「手頃な」のは67.5平米で169,000ユーロ(2,300万円)。前者は一人暮らし、後者は日本基準のファミリー向け。自分の住んでいる大学寮一部屋が民間であれば1,500万円することに驚愕。大学寮の占有部はやや狭いが、共用ランドリーなども含めればそのくらいの面積だろう。
  • 以前に日本でも報道されていたが、引き続き民間の軍事訓練への登録者が増え続けているとの話。兵役の経験を問わないことも希望者が多い要因らしい。国防に対する関心の高さを示している。

本日の帰国準備。標題の通り帰国便搭乗予定日まであと7日。

  • ヘルシンキ大学の建物及び居室に入館・入室するために受領していた鍵を返還。
  • ヘルシンキ大学の同僚と最後のお土産の交換。頂いた中にサルミアッキを発見(苦笑)。また、時々遊びに行っていた農場の子供たちからカードをもらったのは嬉しいのだが、帰国してから日本風のカードを郵送しようにも、まだ日本からフィンランドへの航空便は引き受けが停止中。なんとかならないだろうか。
  • 昨日速報があり、具体的内容を期待していた日本の水際対策の緩和。確かにワクチン3回接種した人は搭乗前PCR検査が免除になったが、取り扱いの変更は9月7日から。自分の帰国時にはまだ検査証明書の提示義務あり。ただし、仮に8月31日に陽性になったとしても、9月7日以降は検査を受けずに帰国できる(ちょうど回復している頃)というのは安心材料ではある。

送別会も終わり、残り1週間。いよいよ帰国モードに入ってきた。