業務日誌

東京農業大学(元三重大学)教員による業務日誌です。農業経営学の見地から,食料・農業・農村・環境の問題を考えています。

10月29日(金):10月最終

10月最終出勤日。

・科研申請書2本の再仕上げ。もう一度見直して若干の修正を加えた後,無事に再提出了。今度こそ大丈夫,と思っていたら,また別の先生から分担の依頼。さすがにエフォートにも無理があり,このタイミングで申請書を作り直すのもしんどいので,連携で参加させていただくことに。
 
なお,研究者ではない方は何のことだか分からないネタと思うので若干解説すると,科研費とは,研究者が個人または学内外の研究者と組織を組み,こんな研究プロジェクトをしたいと応募して,審査の結果採択されれば一定期間国から研究費が受給できる仕組み。国の方針として,大学に無条件にあげる交付金は減らし,科研費のような競争的資金の割合を増やしている。要するに,自動的には金を出しません,頑張っているところにあげますということ。
 
研究者の立場からすると,科研費申請の主な立場は「代表」「分担」「連携」の3つ。「代表」はその研究プロジェクトのリーダー。当然のことながら一プロジェクトに一名。「分担」とはその研究プロジェクトの一定の領域を担当する人のこと。「連携」とは,「分担」よりは立場は下だが,研究そのものには参加します,という人。「分担」と「連携」の違いは,「分担」は「代表」と連帯責任を負う(代わりに研究費の配分を受ける)のに対し,「連携」は負わない(代わりに研究費の配分も直接的には受けない)ところ。
 
さらに,ある研究者に過大な研究費が支給されることがないよう,研究者は個々のプロジェクトに「エフォート」を配賦する。エフォートとは,自分の勤務時間の何%をそのプロジェクトに振り向けるかという時間配分。個々のプロジェクトにそれなりのエフォートを振っていけば,参画できる(応募できる)プロジェクト数には自ずと上限が生まれる。エフォートを配賦するのは「代表」と「分担」。「連携」はエフォート配賦が不要(つまり,エフォートを配賦するほどには主体的に参加しないということ)。
 
自分の場合,来年度受給見込みのプロジェクトに「代表」1,「分担」2があり,この秋に応募しているのが「代表」2,「分担」2。もちろん,応募課題が4つとも採択される可能性はほとんどないのだが,ここに「分担」をさらに追加するのは,エフォート的にも苦しいので,今回頂いたお誘いには「連携」で,ということになった。
 
結果は来春のお楽しみ。全部採択されたら「代表」3,「分担」4,「連携」1になるが,受給見込みプロジェクトですら国の方針によってはどうなるかわからないのが実情なので,下手したら全滅,という可能性もなくはない。
 
・学会誌投稿論文の執筆作業。分量的には進んできたが,仕上げにはまだ一山も二山もありそう。
 
・レビュー論文の執筆作業。こちらもだいぶ煮詰まってきた。あともう少しのような気がする一方,まだゴールは遠いような気もする。なんとも。
 
昼過ぎに大学を出て,県庁へ。
 
・県条例関連の懇話会に出席。本日は2回目。前回と同様,人生の諸先輩方を差し置いて座長というのはどうも...(苦笑)
 
・夜に校閲が上がってきた英文原稿を仕上げ,イギリスに送付。これでようやく懸案の1つが片付いた。
 
本日はかみさんが出張で不在のため,保育園の送り迎え。さらに,上の子が明日から1泊2日のキャンプに出かける予定だったので,台風が気になりつつも,夕方一緒におかしを買いに行ったのだが,夜になって中止の連絡。案の定というべきか。雨天決行とはいっても,さすがに台風が相手では決行するわけにもいかなかっただろう。
 
とはいえ,今月中に仕上げるべき原稿が2本残っている。週末に少しでもゴールに近づきたい。