業務日誌

東京農業大学(元三重大学)教員による業務日誌です。農業経営学の見地から,食料・農業・農村・環境の問題を考えています。

9月30日(水):調査35

英国調査最終日。

・午前はドーセット(Doset)州政府にて,農業への新規参入支援施策について聞き取り。今回訪問する州政府はこれで4つ目だが,それぞれ共通点と相違点があって非常に興味深かった。

・午後は,ウィルトシャー(Wiltshire)州にある大規模農業経営を訪問し聞き取り。南西部だけで1万ha超の経営を行っているところ。おそらく英国最大の農業経営だろう。とても参考になった。

最後に訪れたところは,6年前に訪ねてみたかったのだがうまく調整がつかず断念したところ。6年ぶりの悲願成就。

日本では企業の農業参入が注目されているが,自分から見れば「こじんまり」としたものばかり。「企業」と騒ぐほど参入企業は「企業的」ではないし,既存の農業法人にももっとしっかりと農業をやっているところはたくさんある。企業云々を語るなら,今回見たケースのように「桁違い」の農業の可能性を探らないと意味がない。もちろん,土地条件やら作目やら,英国と日本とは大きな違いがあるが,こういう経営を見ることが「企業の農業参入」を考える上で大事なことだと考えている。まだまだ足りないので,これからもどんどん調査したい。

これで調査の日程は終了。明日夕方の便で帰国の途につきます。今回は,充実した調査ができたし,昔の「仲間」にも会えた(一人会いたかったけど消息不明がいるが)。懐かしい風景も満喫した。自分には「ふるさと」がないのだが,こういうのがふるさとの良さなんだろうなあと感じた次第。あと,よく運転した(笑)。明日は空港に戻るのだが,合計で1,000マイル(1,600キロ)超は確実。

次回更新は・・・再び乗り換え待ちの香港空港からか?(苦笑)