業務日誌

東京農業大学(元三重大学)教員による業務日誌です。農業経営学の見地から,食料・農業・農村・環境の問題を考えています。

9月29日(火):調査34

本日も調査。片道130キロほどの移動あり。

・午前はコーンウォール(Cornwall)州政府にて,農業への新規参入支援施策について聞き取り。ここは6年前にも訪問調査をしたことがあり,6年間の変化をも知ることができた。

ちなみに,聞き取りの最後に担当者から指摘されてはっとしたのが,「そういえば、1年くらい前にも日本人がここに来たなあ,テレビ局の取材だったけど」とのコメント。

実は,その頃に日本の某テレビ局(番組制作会社)から大学に連絡があり,イギリスの農場の取材をしたいのだが,どうすればアクセスできるかという問い合わせを受けたことがある。曰く,色々と調べている過程で自分の論文に行き当たったらしい。確かに当時(今も)イギリスの農場のケーススタディをやっていた日本人は自分くらい。

番組制作会社には「イギリスでは州政府が農場を所有して貸し出しているので,州政府に問い合わせてみれば農場を紹介してもらえるはず」とアドバイスしたのだが,結局彼らはコーンウォール州に行った(ことを,後から頂いた番組のDVDを見て知った)。

担当者には,無断でアドバイスしたことを謝っておいた(笑)。ま,変な民放局じゃないから失礼なことはしなかったと思うが。

・午後はデボン(Devon)州政府にて,同じく農業への新規参入支援施策について聞き取り。こちらは6年前に積極的な改革案を持って事業を進めていて,農場調査も含め詳しく調べさせてもらったのだが,6年後に訪ねてみると随分と状況が変わっていた。当時の野心的な改革案のほとんどが白紙に戻っているといっても過言ではない。

6年経って,景色は変わらないが事態は色々と変わっているなあと実感した一日。

調査はあと1日。明日も今日ほどではないが,それなりの移動を伴う予定。