業務日誌

東京農業大学(元三重大学)教員による業務日誌です。農業経営学の見地から,食料・農業・農村・環境の問題を考えています。

2月24日(水):宴のあと

卒論発表会の翌日は,校内も静か。イベントが1つ終わった感が強い。「宴」というと誤解があるかもしれないが(笑)。

・新年度に予定している某自治体との共同研究について,先方と相談。

・「社会調査演習」関連作業。明日の報告会に向けて残りの製本作業を完了。後は当日を迎えるのみ。

農水省受託研究関連。期間中レンタルしていたパソコンの返却手続き,追加で必要なデータに関する打ち合わせ等。

・4月に予定している中国行きに関連して,引率して頂く方(学外)と打ち合わせ。

・来月に予定している学内シンポジウムの案内文書を関係機関に送付。

・新年度の学部パンフレット向けの写真選定作業。なかなか絞り切れず。

・留学生の研究助成の申請書作成作業。無事に完了した模様。もう一度本人と打ち合わせをして発送する予定。

・某学会に投稿していた論文(短い)の採択通知届く。前回の査読でほぼOKだったのだが,正式に決まると安心する。関連して英文サマリーの最終チェック作業。

・「公共牧場」報告書の仕上げ作業。無事に了。自分自身もう一度読むのと,共同執筆者である学生の意見を踏まえて完成させ,今月中に提出予定。締切厳守。

・研究会の予定が来月に1つ入る。場所は東京。

・明日の入試業務に備えて,事務から説明を受ける。本来ならば「説明会」に参加すべきだったのだが,あいにくその日に出張があったため参加できず。今日はその代替措置。

・残りの時間は部屋の片づけ,資料整理,ソフトのインストール作業など。

卒論の感想をあまり書かないのも何なので一日遅れで書くと,指導する側としては毎年何かを変えることにしている。これを意識したのはここ3年。

それ以前は,卒論なんてものは(自分がかつて学生時代にそうであったように)学生が自分でやるもので,教員は時どきに感想を述べていればよいと思っていた。が,3年前の卒論がほぼ「壊滅」状態に陥ったことで,根本的に改めないといけない,と方針転換。

2年前は,「最低1か所は,学生とともに現場に赴く」ことにした。3名いたが,それぞれそれなりにうまくいったと思う。自分にも現場感覚があるので,指導しやすい。反省点は,「関わり方が中途半端」と「学生数が多いと大変だ」。

1年前は,「指導対象者を明確にする(自分が指導する学生としない学生をきちんと色分けする」と「思い切って,自分のプロジェクトの一端を担ってもらう」「成果は学会等で報告ないし公刊する」やり方。指導学生が1名のみだったので,初めての試みだったがきちんと学会誌掲載までたどり着けた。反省点は,卒論生が追いコンで泣いたこと。そんなに追いつめたかな,と。

今年は「指導学生が増えてもこなせるか」が課題だった。学生数は4名。かつ,昨年度の反省を踏まえ,学生を追い込みすぎないことも裏の目標になった。なぜ「裏」かといえば,卒論で「追い込まれた」経験も社会に出てからそれなりに役立つはずで,追い込まないことがいいことだとも限らないため。

ただし,大学教員(とくに社会科学系)が行ってきた指導のやり方は,これからは通用しないのも確か。スポーツに例えれば,研究指導は「監督」ないし「コーチ」の立場から行うべきであって,「テレビ中継の解説者」みたいなのは不要。監督・コーチとなれば,選手を追い込みすぎないことも重要。また,選手のパフォーマンスが悪ければ,それなりの責任を負う立場になる(選手の出来が悪いと気楽にいうのは解説者であって,監督・コーチではない)。

結果的に,今年の卒論は最後まで変な雰囲気にならずに済んだかと思う。今後公刊までたどり着けるかは,これから自分がどこまでフォローできるかによるが。

来年度に向けては,大幅に変えるつもりはないが,指示の出し方とか,改善の方向性を検討中。今まで自分でやってきたこと(研究)を人にやらせるわけだから,いわば管理職としての資質が問われている。

もっとも,個人的にはまだまだ「選手」(もっというとFW)として頑張りたいのだが(笑)。