業務日誌

東京農業大学(元三重大学)教員による業務日誌です。農業経営学の見地から,食料・農業・農村・環境の問題を考えています。

7月28日(木):晩夏

日中、日差しが強い時間帯もあったのだが、最高気温は19.9度。ふと見ると上着を着ている人も増え、中には薄手のロングコートのような服装の人もいる。自分も含め、半袖Tシャツに短パンの人もいるが(笑)。来週からは学校も始まるとのことで、モードの変化を感じる。まさに晩夏。

  • 9月の学会に向けた手続き。3名の外部招聘者への経費支出について派遣元大学との打ち合わせにめどが立ち、それぞれの関係書類の作成開始。これだけ準備して、あっさりオンライン開催に切り替わったらと思うとあれだが(笑)。続く。
  • 研究室動画チャンネル関係。
    • 動画その1。委託先にお願いした修正が戻ってきたので、サイトにアップロード。限定公開として関係者に確認依頼。こちらの想定は、このままOKが出て公開に切り替えるという手順だが、さて。
    • 動画その2。素材の提供を受けた先生との修正のやりとりを新たに3往復。結果、元版は完成か。次は仕上げの外部委託。上記「その1」が完了すれば次に委託予定。
  • 民間研究助成の報告書作成作業。5枚という上限があるので、どの内容を選択すべきか迷いつつ、とりあえずこれまでのコンテンツを集約して4枚に。今後は、この4枚分を推敲しつつ、残り1枚でまとめを書く方向性。続く。

本日のヘルシンキ

  • コロナワクチンの2回目追加接種(4回目)の予約がヘルシンキではすでに開始。接種の有効性と必要性を確認する記事。ともあれ、3回目から6ヶ月経つと効果は失われるわけか(苦笑)。
  • 6月のフィンランドにおける「外国からの入国者の宿泊数」が前年同月比4倍になったとの報道。コロナからの回復を示している一方、国内旅行者も含めた「宿泊総数」は、コロナ前の2019年6月より6%少ない。が、コロナでダメージを受けたホテル業が、客室をフルに埋められるだけのスタッフを充足できているかを考えると、大健闘しているのだろう。
  • その他は目立ったニュースなし。イタリアのある地域からフィンランド企業が撤退することになり、それなりの雇用が失われることになるが、それに反発した地域の首長が、フィンランドNATO加盟の批准手続きを遅らせろと主張しているなど。イタリアは政治混乱により、そもそも批准が遅れそうではあるが、こういう下世話なニュースはどこにでもある。

ということで、明日は金曜日。

7月27日(水):残り9個

洗濯洗剤(ジェルボール型)を本日1つ使用し、残り9個に。フィンランドでの洗濯回数も残り一桁。ジェルボールは、今のように住んでいる部屋とランドリーに距離がある時は持ち運ぶのに便利だが、回数を誤魔化すことができない(笑)。残り9個となれば洗濯回数も残り9回。新しいのを買って余らせたりしたくないので。

  • 研究室動画チャンネル。
    • 動画その1。編集委託中の動画のキャプション修正指示→修正済動画が戻ってきたので再チェック→ちょっとだけ修正点が残ったので修正依頼。今日はここまで。
    • 動画その2。研究室の先生から新たな素材が届く。パワポベースなので自分が編集。パワポに動画をはめ込んで、動画ファイルとして吐き出す作業。最初、やり方がわからなかったので(笑)、参考書を開いて確認。やり方を理解してからは動画をトリム→パワポに挿入して調整→アニメーションや画面切り替え設定→動画ファイルを吐き出すところまで。作成の先生の確認依頼へ。これが終われば外部委託で仕上げ作業に持っていける。
  • 派遣元大学の組合の研修にオンライン参加。育休関係。自分が試してみたのが2006年。16年の月日が経過してもまだ同じようなことを言っているわけか。
  • 科研(9月の学会分科会)関連。1)8月中旬に提出予定の原稿のアップデート。関係者に送付。2)外部招聘者への旅費支給について農大事務とのやりとり。取り急ぎ3名中2名に連絡。1名はこのまま進める。もう1名は引き続き協議。残り1名も含めて明日に続く。
  • 6月にオンライン取材に協力した分の謝金受領手続き。自分がどこにいても提出しなければならない書類があり、押印が必要なので郵送。幸運なことに、フィンランドから日本への航空便は機能している。
  • 9月に公刊予定の論文の再校が届く。確認は明後日に組み込む。急ぐと失敗しそうなので。

本日のヘルシンキ

  • 国内の国立公園への訪問者数。コロナ禍の2年間は増加。コロナによる制限が解除された今夏の訪問者数はまだ確定していないが、公園によって増えていたり減っていたり。制限解除により別の観光地に流れた分もあれば、傾向的に訪問者が増え続けている場所も。報道内容から傾向を読み取ることはできないが、かく言う自分もラップランドに出かけ、夏は南に行くよりは北に行きたい、そして人がいるところよりもいないところがよいと再認識。
  • 今月の「消費者信頼指数」公表。7月は1995年に統計を取り始めてから最低値に。景気の先行きを暗く見通すのは致し方なし。
  • 世論調査の結果。フィンランド人が心配していることの1位はロシアによる脅威(37%)、2位が電気・燃料の価格上昇(34%)、3位が気候変動(24%)、4位が感染症(21%)。現地に暮らす日本人の皮膚感覚としても妥当な結果か。
  • コロナに関するニュース。政府の保健福祉研究所のトップが、コロナは人口の中で一定数がかかるような風土病的な病気に移行したこと、ワクチン接種によって最大1万人の命が今年救われたと考えられること、フィンランドの感染動向は他のヨーロッパ諸国と異なることなどを発言。フィンランドでは、首都圏外での感染増加が見られ、他のヨーロッパ諸国のような今夏の流行のピークが確認できていない(これから増える見込み)らしい。よくわからない感染症ということなのだろう。

さて、夏季休暇も近づいてきた。そこまでに仕上げるべきタスクも見えてきたので頑張るのみ。

7月26日(火):休暇まで6日

  • 派遣元大学の指導院生とオンライン打ち合わせ。査読結果が戻ってきた投稿中論文の修正方針について協議。打ち合わせ後、こちらで行うとしていた参考論文の検索と送付。
  • 派遣元大学の手続き関係。1)9月の学会での予算執行について手続き方の確認開始。2)今後想定される事務手続きについて院生に予め指示。
  • 派遣元大学の学生実習関係。1)昨日一旦提出した昨年度の学生実習レポートの差し替え。2)間もなくスタートする日本国内の実習に関連したやりとり。日本はああいう事態になっているので、実習可否について最終確認が必要。
  • 受給している民間助成について、年末(年始でもよし)締切の報告書の執筆。概要は大まかに書き上げたので、残りは添付資料。と言っても、最大5枚なので大したことは書けない。続く。
  • 研究室動画チャンネルのコンテンツ整理作業。1)現在編集中の動画について、委託先への最終指示の整理。委託先に指示方法について確認しなければならない箇所があったので、明日に持ち越し。2)次に編集予定の動画の編集方針について、作成元の先生と予め打ち合わせ。3)順番としては3つ先(次の次の次)に編集予定の動画確認と、外部委託前の整理作業。具体的には、使用する場所を切り出すことと、キャプション原稿を考えること。7分程度の動画になる見込み。一旦了。

本日のヘルシンキ

  • 就業率データの公表。6月の就業率は76.9%で前年同月から1.1ポイント上昇。性別では女性は2ポイント上昇、男性は横ばい。ホスピタリティ、ツーリズム、イベントといった業種では、コロナ禍からの回復で需要は急増しているが、採用ができていない。雇用の流動性は確実に増しているということか。
  • 電力市場の取引価格が極端に下がったとの報道。その理由は、強風による風力発電量の増加。風力発電の能力は年末にかけて増強される見込み。もっとも、強風により倒木が発生するなど送電網が遮断される恐れも指摘されている。フィンランドの電力市場の詳細をよく知らないのだが(おそらくここで話題になっているのは小売市場ではなく卸売市場だろうが)、電気料金が下がることはいいことと考えてよいのかどうか。
  • 昨日、ロシア人への観光ビザ発給を制限・一時停止することが議会で議論になったと書いたが、早速ロシアが、そのような措置が発動されれば対抗措置を取ると警告。日本人に対する話ではないものの、フィンランド渡航当時コロナが落ち着いたらサンクトペテルブルグに行きたいなどと考えていたことは、当面あり得ないわけか。

7月も残り少なくなってきたが(=休暇まで近くなってきたので)、できることを進めます。

7月25日(月):体質変化

今日は比較的暖かい1日で、出かけた時に汗もかいたのだが、最高気温は22度。経験上、海外生活をすると、気温感覚は比較的早期に現地に馴染んでしまう体質なのだが、つまり、寒さへの耐性が増し、暑さへの耐性が減ったことになる。日本に帰ったらやばいかも。

  • 帰国便のチケットに関するやり取り。無事に発券されたのでもういいのだが、最後まで旅行代理店の対応はいい加減。自分のような素人よりも知識がない代理店は不要だと思う。
  • 研究室動画関連。編集中の動画もありつつ、新たな素材を研究室の先生からいただく。急ぎ整理。続く。
  • 院生筆頭著者論文の修正。1)共著の先生方との相談。2)英文要約の校閲が戻ってきたので内容を確認。3)本人と明日打ち合わせを行うことに。
  • 派遣元大学関連。1)月例報告書(今月分)のアップデート。今月も残り1週間。2)帰国後に色々と必要な事務手続きについて、今の段階から確認すべく、質問リストを作成して送付。質問が多いなあと思いつつ(苦笑)。
  • 派遣元大学の学生実習に関する作業。自分がどこかで見逃していたのかもしれないが、例年にないレポート集の作成があり、自分が担当した学生実習のレポート提出も必要。学生本人から自分にはすでにレポート自体は提出されていたため、それをレポート集の様式に合わせる作業。その際に字数を削減する必要もあり、突貫工事で作業。無事に終わって提出。

本日のヘルシンキ

  • 物価上昇に対応し、年金などの社会保障給付水準が8月から3.5%アップされることが決定(当面は12月まで)。インフレのピークは秋頃とされているが、さて、どうなるか。
  • ロシアとの国境警備に関する報道。監視飛行時間を昨年比25%増の4,000時間とすること、センシング・ロボットなどの監視技術も今後向上していくなど。森の中に潜むなんてこともできなくなっていくわけか。
  • いわゆる花粉症のニュース。こちらではヨモギの花粉が有名らしいが、ヨーロッパの他地域から飛来してくるブタクサ、ヘーゼルなどもアレルギーを引き起こすため、警戒は年中必要とのこと。大半は市販のアレルギー薬で対処可能だが、短期間のものだからと放置されることも多く、結果として喘息などの重篤な症状を招く可能性があること、また今はコロナと混同されることもあるのでさらに注意が必要とのこと。
  • 最後に再びロシア関連。ロシア人への観光ビザ発給の是非が議会で問われている。報道によれば、制限あるいは一時停止すべきという意見が多い模様。反対意見は、フィンランド人とロシア人の個人レベルでの関係を絶ってしまえば、逆にロシアの現体制強化につながってしまう、との懸念。さて、議会の結論はいかに。

さて、今日は事務系のやりとりで時間が経過してしまった。明日は研究の世界に戻る予定。

7月24日(日):夏は終わった?

気がつけば気温が20度を下回る時間帯が増えている。今日は天気が悪かったので参考にならないが、最高気温は20.5度。20度超えは正味1時間程度。昼の時間が18時間を切ったという話を1週間前にしたが、18時間を切ると秋の気配を感じるのが北欧なのかもしれない。1年しかいないとなんともいえないが。

  • 研究室動画関係。今後の編集方針などについてやりとり。
  • 院生筆頭著者論文について。レポスポンディングオーサーは自分なので、レフリーのコメントに対する対応の方針について整理して、院生に送付。もちろん、実際のところはこれからだが。
  • 学部2年生向けの研究室紹介およびゼミ紹介資料の改訂。先日手をつけていたのだが、本日は完成イメージを意識。試しに話してみると、ギリギリ(制限時間25分に対して24分50秒笑)入りそうだが、余裕なさすぎかもしれない。まだ時間はあるので、もう少し経ったらまた筆を入れることにして、しばらくは塩漬け。

本日のヘルシンキ

  • インフルエンザの流行が例年よりも早まりそうだとの見込み。フィンランドでは8月に学校が再開されるのだが、再開によって感染が広まるだろうとの見立て。同時に、コロナも次の波が来るとの見立て。日本は第7波の最中だが、フィンランドでは8月以降に発生するとの見立て。

ともあれ、今月もあと1週間。そして、自己取得の夏季休暇までもあと1週間(笑)。新しい週はラストスパートということか(笑)。

7月23日(土):40日

帰国まで40日。出発まで39日。洗濯洗剤が残り10回分(笑)。一人暮らしなので洗濯は週2ペース。最後の方は衣類の多くは洗わずに捨てていくことになるので、ちょうどいいわけか。

  • 研究室動画チャンネル関連作業。新しいコンテンツの編集を開始したのだが、色々とトラブル発生(苦笑)。応急処置を経て、提供元の先生に確認依頼まで進める。こういうきっかけで、動画を手掛けた人が離脱していくのだろう。ここは耐えどころ(笑)。
  • 昨日査読結果が戻ってきた院生筆頭著者論文について。1)共著者の先生に状況報告と協力のお願い。2)アブストラクトの英文校閲を業者発注。その他、論文本体の内容もつめようと予定していたが、明日に回すことに。
  • 派遣元大学に提出する月例報告書(今月分)の執筆・改訂。まだ今月が終わっていないので仕上げられない箇所もあるが、それ以外は概ね終えた。

本日のヘルシンキ

  • 制限解除から1週間が経過したフィンランド・ロシア間の陸路での国境通過。南東部におけるロシアからの越境者は一日あたり7,500人から8,000人で安定的に推移。コロナ前の3万人に比べるとまだ少ないが回復。また、フィンランド側からの「給油越境」は、予想されたほどは多くないとのこと。
  • コロナに関する報道。高名な医師が、コロナ感染症は危険伝染病のリストから外すべきと提言。この議論自体は日本にもある。ただし、冷静に読み解かなければならないのは、外すべき理由。1つは、危険というほどには死亡率が高くないこと。もう1つは、感染力が高く、検疫や隔離で蔓延は防げないこと。
    • 翻って日本の「マスク」議論は、マスク着用が有効であることを前提に、熱中症などのデメリットとの比較検討をするわけだが、今の感染状況をノーマスクの国と比較すれば、ほぼ役に立っていないことが自明。外敵の脅威に対して「竹槍を一生懸命削っている」感。その点、思考停止状態の「専門家」の罪は重いわけだが、自分も農業系専門家として、他山の石としなければならない。

さて、明日も働きます。

7月22日(金):オンライン攻め

朝からオンライン会議が続き、昼過ぎには疲れてしまった(苦笑)。

  • オンライン会議その1。派遣元大学の先生とカリキュラムに関する打ち合わせ。
  • オンライン会議その2。派遣元大学のオンライン会議。
  • オンライン会議その3。派遣元大学で開催された研究会に参加。
  • 指導院生が筆頭著者の投稿論文の査読結果が戻る。想定よりは易しかったが、簡単ではないので対応が必要。教育上の観点からは、まずは院生が頑張り、適宜指導教員が介入(笑)、という手順。当該院生には初めての論文投稿でもあるので、査読者のコメントに対する対応表の形式を作り送付。形式といっても、査読者コメントはきちんと入れてあるが、投稿者の回答欄は白紙(笑)。
  • 帰路の航空券について、月初に旅行代理店に問い合わせをしたのだが、確認しますという返信があったきり、2週間超放置されているので、やや強い調子でリマインド。
  • 来月の研究会の日程調整。無事に決まり、zoomも設定。一旦了。もっとも、大事なのはこれからの発表準備の中身だが。関連して、報告者のお一人から質問があったので、少し調べ物をしつつ回答。
  • 研究室チャンネルに動画アップ。すでにコンテンツはできていたのだが、関係者の了解が得られたので、YouTubeへのアップ、研究室ブログ、Twitter更新作業も了。続けて、次に編集してもらう動画材料を外部委託。また、今後の配信予定をアップデート。
    • その後、アップした動画に軽微なミスを発見したと修正版を送ってもらったのだが、YouTubeの特性上、動画の差し替えはできない(削除→再投稿するしかない)。もうちょっと待てばよかったのだが、あとのまつり。
  • ここまで取り組んできた原稿の見直しと最終仕上げ。締切は9月だが、これから何があるかわからないので提出することに。これも一旦了。

本日のヘルシンキ

  • 本日朝、北部ラップランド地震発生。マグニチュード2.8はここ4年間で最も大きく、「a major earthquake by Finnish standards」と表記。なお、フィンランドではマグニチュード0〜4程度の地震が毎年「数十(dozens)」発生しているとのこと。国が違えば感覚が異なることの典型が地震とも言える。
  • EUが来月から来年3月末までのEU内の天然ガス消費量を2016年〜2021年比で15%削減する方針を打ち出す。その背景は、むろんロシア。ロシアからの天然ガス供給が削減・遮断されても十分な供給量を確保するための対策。ただし、一回しかフィンランドの冬を越したことがない人間が言うのもなんだが、消費がどうなるかは気候次第。あるいは、代替エネルギー源による暖房確保か。
  • アオコに関する記事。例年よりも気温が高いため、アオコの成長が進んでおり、小さな子供やペットが飲み込んだりすると健康被害の懸念がある。風雨や水流で攪拌されると見えなくなるため、水面の見た目では判断がつかない。また、本来成長が遅いプランクトンであるため、急に増えることはないが、増えたものはしばらく多いまま。当面は警戒が必要ということだろうが、さて、夏を楽しむフィンランド人にどこまで響くか。

原稿が1本片付いたと思ったら、(筆頭著者ではないとはいえ)論文の手直しが始まる。こういう生活から遠のいてしまったら研究をしていないことになるわけだが、もうそろそろ言いたいこと自由に言って過ごしたいなあと思うことも(笑)。

ともあれ、週末も引き続き頑張ります。